健康保険証の有効期限
保険医療機関で保険診療を受けた際に保険証を提示すると、その場で7割の現物給付を受けることができます。
そんな便利な健康保険証に有効期限はあるのでしょうか?
国民健康保険に加入されている方は健康保険証に有効期限が記載されており、有効期限は概ね1年間です。
会社員の方(被保険者)や、その扶養家族(被扶養者)の健康保険証には有効期限はありません。
それは働いている事業所で雇用されている間は資格が発生するからです。
しかし事業所を退職すると退職日の翌日からその保険証は、使えなくなってしまいます。
誤って退職後に本来使えない保険証を使用すると、以前加入していた協会けんぽや健康保険組合などの保険者から保険負担分7割の医療費の返還を請求されます。
なぜそのようなことが起きるのかというと、有効期限が記入されていない保険証はいつまで使えるのかわかりにくいから。
実際は事業所を退職して、資格がない状態でも保険医療機関で保険証の現物を提示してしまえば、病院で3割負担の請求をされます。
保険医療機関は保険証の現物を確認することで資格の確認をしているので仕方がないのです。
そして、被保険者とその被扶養者の保険証が使えなくなる日については
・退職時の翌日
・死亡した翌日
・75歳に到達した日
基本的にこの3つです。
また保険証は
以前勤めていた事業所に返却することが義務付けられていて、事業主も保険証の回収が義務とされていますので、退職したら保険証はすぐに事業所へ返却しましょう。
もし誤って保険証を使ってしまい、保険者から返還請求が来た場合は無視したりせず、必ず医療費の返還をしてください。
そして、払い戻した医療費は新たに加入している健康保険で資格があれば請求できます。
保険負担分の医療費を新たに加入している保険者に請求する際は以下の書類が必要です。
・療養費の申請
・支払った際の領収書
・診療報酬明細書(レセプト)
レセプトとは保険医療機関が保険者へ提出する医療報酬の明細書で、通常は受診者本人の手に渡ることはありません。
しかし誤った保険者に請求されたレセプトは正しい資格のある保険者に提出しないといけないため、誤って請求のあった保険者へ請求をしましょう。
レセプトは病名や治療内容、通院しているクリックなどが記載されており、開封厳禁の封筒に入れられている場合があります。
その場合は、開封せずに新たな保険者へ提出しましょう。
上記の手続きは面倒なので、退職した際は保険証を使わずに、すぐに返すことをお勧めします。